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病気のお話

肛門がん

どのような病気か

治療についてのご案内
肛門の長さ(肛門管)は日本人では平均、男性3.2cm、女性2.9cmといわれています。この肛門管を中心に発生するがんを肛門管がんといい、肛門周辺の組織に発生するものも含めて、肛門がんと総称しています。

肛門管をおおっている上皮は奥のほうから直腸粘膜、移行上皮、肛門上皮で構成されています。また、肛門縁から2cmほど入った肛門管は歯状線と呼ばれていて、この付近の括約筋には肛門腺という組織があります。
これらの部位ががんの発生母地になっています。なかでも先天性奇型である重複腸管、痔瘻や肛門腺かたの発生はよく知られています。
この複雑な部位に発生するがんもまた多彩な組織像をしています。

肛門がんの発生頻度は直腸・肛門部がんの約10%で、男女ともに同率です。

肛門がんの種類でおもなものは、腺がん・粘液がんが75%を占め、扁平上皮がんは20%、痔瘻がんは9%という報告があります。

特殊なものとして重要な病気に、悪性黒色腫や乳房外ページェット病、ボーエン病があります。

どうして病気がおこるのか・どんな現れ方か

肛門管がんの発育の仕方は、肉眼的には肛門管内型、管外型、肛門縁型に分けることができます。
扁平上皮がんは管内発育をしますが、最近、人にいぼを発生させるパピローウイルスが原因の一つではないかと考えられています。
最も注意しなければならないことは、長い期間、痔瘻が炎症を繰り返していると、瘻孔からがんが発生することがあることです。痔瘻がんは管外発育、乳房外ページェット病は肛門縁型発育をします。

痔核の出血は、鮮血が紙についたり、ポタポタ落ちたり、シューと走るように便器を真っ赤によごしたりしますが、肛門がんの場合はやや赤黒い血液が分泌物と一緒に出て、下着を汚したり、紙につく程度の静かな症状です。
裂肛の場合は鋭く脳髄にひびくような痛みが多くなりますが、肛門がんでは強い痛みが長く続く傾向にあります。
それと同時に肛門管やその周辺に硬いしこりのある潰瘍ができたり、肛門が狭くなってきたら要注意です。
とくに、痔瘻がんの場合は肛門周辺からゼリー状の分泌物が出てくるので、これだけで診断がつくほどです。

病気を治す

肛門がんの診断は、レントゲン検査や内視鏡、超音波検査、CT、MRIなどによって行われます。確定診断は生検といって腫瘤(しこり)の一部を切除したり、針で採取する組織検査になります。
また、粘液や分泌物を色素で染めて、悪性細胞がないかどうかをみる細胞診も行います。

治療は外科療法が中心です。80%以上は肛門も一緒に切除して、人工肛門とする直腸切断術です。放射線療法や抗がん剤のみの治療は、全体の1.5%しか行われていません。効果が乏しいからです。

術後結果は、リンパ節転移率は47%。とくに鼠径部リンパ節の転移率は23%と報告されています。したがって、どのがんにも言えることですが、リンパ節の摘出もしっかり行わなければなりません。再発率は約28%で局所再発が一番多いのです。5年生存率は約45%と報告されています。
  
興味深いことは、痔瘻がんの多くは、上方へのリンパ節転移が少なく(10%)、発育が遅く悪性度が低いために、比較的長く生存できるということです。

病気にきづいたらどうする

肛門がんを早く発見するためには、まず、年一回の便潜血検査や、専門医による直腸肛門指診、ファイバイースコピー検査などを定期的に行うことです。とくに痔瘻のある人は早く治療してください。一般的には肛門痛や出血、分泌物があった場合は、1~2週間坐薬などで様子をみて、すみやかに症状が改善されなければ受診したほうがよいでしょう。

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