一般名は「盲腸」、正式名称は「急性虫垂炎」
大腸の盲腸という部位の下端に突出した虫垂突起の炎症で、これが「盲腸」といわれるゆえんです。
発症原因にはさまざまな説がありますが不明です。
腹痛、嘔吐、発熱が3大症状です。典型的な症状としては、上腹部の不快感からはじまって次第に右下腹部がズキズキと痛みはじめます。時間が経つに伴い食欲不振・吐きけ・嘔吐・発熱などが出現してきます。炎症が高度になり、虫垂の壁に穴があくと腹膜炎を起こしズキズキする痛みがお腹全体に広がります。
虫垂炎はありふれた疾患ではありますが、正確な診断は非常に難しいのです。腹痛を起こす疾患は数限りなくあり、右下腹部痛だけとっても腸炎、大腸憩室炎、卵巣炎、卵管炎、子宮外妊娠、さらには単なる便秘なども考えなくてはなりません。
診断は採血(白血球、CRPなどの炎症反応の上昇)、超音波、CTなどで行います。
治療は外科的に開腹し虫垂を切除します。最近では腹腔鏡下に行われることも多くなってきています。軽症であれば抗生剤の投与で軽快することもあります。文責 尾田典隆