手術(肛門)

アイコン肛門の手術について

大腸肛門病が専門の当院では、大勢の患者さんが肛門疾患の手術を受けられ、皆さんが苦痛のない、快適な生活を送っておられます。
「こんなに楽になるのなら、なぜもっと早く手術を受けなかったのか悔やまれる」と言うのが多くの声です。肛門疾患の治療も時代とともに少しずつ変化し、より小さな創でより大きな効果を生む方向に向かっています。

当院での入院による肛門手術の種類と頻度は、痔核の手術が63%を占め、次いで痔瘻が20%、裂肛手術は3%で、これら三大肛門疾患で全体の86%を占めます。
肛門疾患の治療は病気の種類にもよりますが、まずは安静、内服、坐薬、生活指導などの外来における保存的療法が基本です。
しかし、痛みが強くて仕事も歩行もできない状態では、入院治療が必要になります。この時もまずは保存的療法ですが、肛門周囲膿瘍のような急性感染症だけは緊急の手術となります。

手術療法

根治のために手術を受ける時、一番気になるのは入院日数、費用、手術内容、退院後の仕事のことです。今は誰もが忙しい世の中ですから、当院では患者さんが手術を受けていただき易いように、次のようなプログラムで皆さんの便宜をお図りしております。

1. 通常手術(7〜10日間入院)

痔核、痔瘻、裂肛とも7〜10日間の入院が基本となります。実際は無理をすれば短縮できますが、決して肛門に良いはずはありません。入院中は自分の事は全て独りでできますし、肛門の手入れはウォシュレットでの洗浄です。

PDFアイコン肛門手術後の生活について

2. 短期入院手術(1泊2日)

肛門周囲膿瘍、1ヶ所だけの脱肛、女性に多い肛門前方の皮垂(皮膚のたるみ)、簡単な痔瘻、肛門ポリープ、軽度の裂肛などが対象となります。

3. 外来手術(入院しない)

血栓性外痔核、軽度の肛門周囲膿瘍、肛門ポリープ、皮垂、軽い肛門狭窄などが対象です。どうしても入院できない患者さんに対して主に局所麻酔、仙骨麻酔で手術し、少しの時間休んでから帰宅していただきます。その日から多少の仕事は可能です。

手術内容

長い経過で痛み、出血、脱肛があって苦しんでおられる方は、まず手術の適応ですから、早急に手術されることをお勧めします。
当院ではなるべく患者さんのご希望の日に手術日を設定しております。
もし手術日が決まったら、それまでの間は保存的治療(内服・坐薬)を続けておいてください。

ジャックナイフ体位専用ベッド

ジャックナイフ体位専用ベッド

麻酔

腰椎麻酔(下半身麻酔)で行います。従いましてお尻を触った感じはありますが、痛みは全くありません。そのため、いつ手術を始めたか分からない人が多いようです。

手術体位

ジャックナイフ体位(上半身と下半身を折り曲げてうつ伏せになったスタイル)。

術式

基本的には肛門の機能と形態を大切にした、形成術的な感覚の手術です。
具体的には柔らかくて綺麗な肛門に仕上げるのがモットーです。

アイコンジオン注射療法

当病院では、内痔核を切らずに注射で治療する、『ジオン注射療法』を行っております。 この治療法は手術に比べて、出血や痛みが少なく、短期間の入院で治療が可能です。

痔核(いぼ痔)とはどのような病気でしょうか?

痔核

肛門周辺粘膜の下には、血管が集まって肛門を閉じる働きをするクッションのような部分があります。肛門への負担が重なると、クッションを支える組織(支持組織)が引き伸ばされ、クッション部分が大きくなり、出血したり肛門の外にでたりするようになります。これが痔核(いぼ痔)です。

痔核には、直腸側にできる内痔核と、肛門側にできる外痔核があります。

また、内痔核が大きくなって脱出するようになると肛門側の痔核、つまり外痔核をともなって内痔核という状態になることもあります。

ジオン注による治療法とは、どんなものでしょうか?

「脱出を伴う内痔核」にジオン注を投与して痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。

痔核を切り取る手術と違って、痔核の痛みを感じない部分に注射するので「傷口から出血する」「傷口が傷む」というようなことはなく、入院期間の短縮も期待できます。

ジオン注による治療法

ジオン注による治療法とは、どんなものでしょうか?

ジオン注の有効成分は硫酸アルミニウムカリウムとタンニンというものです。

  • 硫酸化アルミニウムカリウム(出血症状や脱水症状を改善する)
  • タンニン酸(硫酸アルミニウムカリウムの働きを調節する)

どのようにジオン注を投与するのでしょうか?

ジオン注投与

「ジオン注を投与する前に肛門周囲への麻酔か、下半身だけに効く麻酔を行い肛門周囲の筋肉を緩め注射しやすくします。

ジオン注はひとつの痔核に対して下記図のように4ヶ所に分割して投与します。これは痔核に薬剤を十分に浸透させるための方法で、四段階注射法といいます。

複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。投与後しばらく点滴を続け、麻酔の影響がなくなるまで安静にする必要があります。

ジオン注を投与するとどうなるのでしょうか?

ジオン注を投与すると

(1) 投与後の早い時期に痔核へ流れ込む血液の量が減り、出血が止まります。脱出の程度も軽くなります。

(2) 投与された部分が次第に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織が元の位置に癒着・固定して、脱出がみられなくなります。(1週間~1ヶ月)

出血が見られなくなり、脱出や肛門の周りの腫れがなくなります。

副作用はありますか?

イメージ画像

血圧低下、嘔気、
頭痛、食欲不振
投与後直後にみられることがあります。
肛門部が重いような感じ、排便困難 数日でなくなります。
発熱 2週間後まで一過性に現れることがあります。

ご希望の方はご来院のうえ、医師にご相談ください。

胃腸・肛門外科 受付時間

8:30~
11:30
● ● ● ● ●
8:30~
12:00
●
14:00~
16:00
● ● ● ● ●

〒432-8061 静岡県浜松市中央区入野町753

お問い合わせ・予約受付

tel.053-448-5121

ご予約は、診療時間内にお願いします。

お問い合わせ・予約受付

電話をかける

バスでお越しの方へ

バスでお越しの方へ

浜松駅バスターミナルより / 5番ポール
(宇布見・山崎行)乗車 → 西郵便局で下車徒歩5分
雄踏町方面から / 浜松行乗車 → 東彦尾
または西郵便局で下車徒歩5分

自動車でお越しの方へ

自動車でお越しの方へ

浜松西ICより 25分
浜松ICより 35分

JR線でお越しの方へ

JR線でお越しの方へ

浜松駅下車 タクシーで10分
高塚駅下車 タクシーで5分

Copyright © Matsuda Hospital, All Rights Reserved.