緩和ケア

アイコン緩和ケアとは

WHOは、緩和ケアを下記のように定義しました。

「緩和ケアとは、命に関わる病気に直面している患者さんと家族に対して、 病気の早期の段階から痛みやその他の症状のコントロール、精神的、社会的、スピリチュアルな問題のケア(霊的問題の解決)をもっとも重要な課題とし、患者さんと家族に対して可能な限り最良のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を実現することである。」

そこで、がんに伴う痛みや息苦しさなどの身体の症状、気持ちの落ち込みや不安などの精神的な症状、経済的なことや仕事の悩み、家族の問題などを軽減し、患者さんとご家族が充実した生活を行っていただくことを目的としております。

当院での取り組み

当院では医師や看護師、薬剤師、管理栄養士、退院(在宅)支援担当者と協働して、がんに伴う症状を緩和し、充実した生活ができるようなお手伝いをさせていただきます。また、月に2回他職種が集まって“緩和ケアカンファレンス”を行い情報交換をしています。
主に下記の事を行っています。

  • 病気の早い段階から関わります。
  • 痛みをはじめとする症状の緩和ができるよう支援を行います。
  • 患者さんとご家族の精神的な支援を行います。
  • 患者さんとご家族が抱えている不安を語られることで、少しでも気持ちが和らげるよう私たちはじっくり耳を傾けます。
  • 地域連携と協働して、転院・在宅療養に向けて支援を行います。

アイコンタクティールケアについて

化学療法室で行われている、看護師の新たな取り組みについてご紹介します。

タクティールケアとは

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タクティールとは、ラテン語の「TAKTILIS」(タクティリス)に由来する言葉で、「触れる」という意味です。

「タクティールケア」とはその言葉が示すとおり、手足や背中にやわらかく包み込むように触れることにより、不安な感情を取り除いたり、痛みを和らげたりするスウエーデン生まれのタッチケアです。

現在では日本においても、医療、介護の現場を中心に、認知症の周辺症状の緩和や癌治療の現場などで取り入れられている注目の手法です。

タクティールケアがもたらしてくれるもの

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タクティールケアは心地よさや安心感、痛みの軽減をもたらしてくれます。 その根拠と考えられているのが、オキシトシンホルモンの分泌と痛みを和らげるゲートコントロールです。

オキシトシンとは脳の視床下部で産生されるホルモンです。出産、授乳に関与していることはよく知られていますが、最近の研究では、不安やストレスの軽減にも大きく関わっていることが明らかになっています。タクティールケアで肌に触れるとき、脳の視床下部から血中にオキシトシンが分泌されます。そのオキシトシンが体内に広がることによって、不安やストレスが和らげられるのです。

ゲートコントロールとは、触覚や圧覚を抑制するメカニズムに関する学説です。脊髄には、痛みを脳に伝えるゲートがあります。ゲートが開いていれば、痛みを脳に伝え、痛みを感じます。反対に閉じていれば、痛みを脳に伝えることができません。タクティールケアによって心地よさや安心感が生まれることにより、ゲートは閉じられ、痛みが軽くなったように感じるのです。

タクティールケアを受けた人にみられるもの

まず、穏やかな気持ちを体感できます。また、身体が温まる、心地よい睡眠や深い呼吸ができるようになる、腸の蠕動が活発になるなどが挙げられます。

継続的に行うことによって、自分自身の身体の認識や自己意識の向上、身体的、精神的な症状を和らげることもあります。

化学療法室で体験された患者さん、ご家族の声

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「気持ちよい」という声が最も多く、「手のぬくもりってなんて気持ちが良いのだろう」「魔法の手のよう」「その手から何かが出ているのですね」など、手から伝わるぬくもりや優しさを、心地良く感じられています。

「落ち着く」「身体の力が抜けた」「うれしい」「笑顔になる」など、気分的にも身体的にも緊張が和らぎ、「前向きになった」「旅行にいけるようになった」「他の人のことを考えられるようになった」など、積極性や協調性が高まる変化もみられています。

「次の日まで温かかった」「ホワンホワンとした温かさ」「ぬくもりが残った」など、タクティールケア特有の穏やかな温かさが安心感となり、途中で寝てしまわれる方が多くいらっしゃいます。

安心感がもたらす良質な睡眠は副交感神経を優位にするため、「お腹がグルグル動き出した」「ガスがでた」など、腸蠕動の動きを活発にもします。

身体に直接触れることにより、「心配事が話せた」「生い立ちを話せた」など患者さんと私ども看護師との距離が一歩近付けることができます。さらに化学療法の有害事象に逸早く気づくことができ、一緒に予防や改善策などを考えていくことにもつながっています。

「気持ち良さそう」「私にも教えて下さい。家で父にやってあげたいです」などご家族からも好意見を頂き、ご家庭でも実践されている方もいらっしゃいます。

もう一つ

タクティールケアにはもう一つ「相互性がある」という特徴があります。 つまりケアを受けられた患者さんだけでなく、ケアを行った私たちにも、同じように安心と信頼の効果が得られます。仕事や時間に追われがちな私たちですが、ケアを通じ患者さんと向き合う時間は、看護師として何より嬉しく、看護の原点を感じさせていただいています。

ご希望がありましたら、お気軽にスタッフまで声をおかけください。(対象:化学療法室で抗がん剤治療をされている患者さん)

アイコン化学療法について

化学療法については以下のページをご覧ください。

化学療法

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