緩和ケア
緩和ケアでは癌と苦痛なく暮らすためのケアが中心です。状況に応じて放射線治療、手術、抗癌剤治療などの治療を行うこともあります。
手を尽くして治療をしても癌の勢いが強く治せないこともあります。また、手術で取りきったと判断しも再発することはあります。ステージ2では13%、ステージ3では30%の再発率といわれています。再発しても治療法はありますが、完治は困難なことが多いのが現状です。薬物治療にも限界があり予後(余命)を念頭に置いて治療は進められています。
癌によって生じる痛みなどの様々な症状を薬物療法や理学療法(病状に応じてオイルマッサージやタクティルなど)でやわらげることが緩和ケアの中心です。痛みが強い場合には放射線治療や硬膜外麻酔などを行うこともあります。副作用の少ない抗癌剤治療や手術を行うこともあります。腸閉塞になってしまった場合には、人工肛門が必要となることもあります。積極的な治療がおわったから、あるいはもう有効な薬がなくなったから緩和ケアに移行するというものではありません。
ケアの仕方は個々の癌の状態で異なるので担当医や看護師などこれまで診療を支援してくれたスタッフと相談してください。人生の最期をどこで迎えるか、または迎えたいかも考えておかなくてはなりません。在宅緩和ケア、ホスピスなど病気になられた患者さまの社会的な背景も考慮して方向性を提案させていただいています。
人はいつか必ず死を迎えなければなりません。交通事故や心筋梗塞のように急に死が訪れる場合もありますが、癌では時間的な猶予のあることが特徴です。アルフォンス・デーケンス氏によると“よりよく生きること”が“より良い死を迎えること”につながるそうです。
セカンドオピニオン
一人の医師や一医療施設での診療内容(診断、治療、説明など)では十分に納得できない時、他の医師や他施設の医師からの説明を受けることができます。結果として、説明内容や診療方針が同じであったとしても別の医師から説明を受けて納得して診療を受けることは大事です。当院では、当院で診療中の方には他施設への資料情報提供書を作成し、逆に他院で診療中の方にはセカンドオピニオン外来で説明するようにしています。セカンドオピニオン外来での診療は保険診療外となる点についてはご了承ください。
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