どのような病気か・どうして起こるのか
肛門周囲皮膚のたるみを肛門皮垂(スキンタグ)といいます。
肛門周囲の皮膚の一部が炎症をおこしてはれが生じ、そのはれが引いた後に皮膚のたるみ、つまり皮膚痔が生じることがあります。
肛門周囲に炎症を生じるのは女性では出産の後があります。
また痔核の急性期にも肛門周囲の皮膚に炎症を生じます。痔核の急性期としては、肛門周囲の皮膚に血栓(血まめ)を形成した血栓性外痔核や、肛門外に脱出するほど大きくなった内外痔核の血管に、多数の血栓を形成した嵌頓痔核があります。
肛門周囲に炎症をおこして生じる以外には、裂肛が慢性化して生じることもあります。裂肛部はくぼみになっています。そのくぼみに汚いものがたまることで炎症を生じ、裂肛部の外側、つまり皮膚が突出することがあります。
肛門皮垂(スキンタグ) |
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どんな現れ方か
皮膚の突起ですから、症状がなければとくに気にすることはありません。しかし排便後は肛門部をきれいにするのが難しいため、不潔になりがちです。そして不潔になるために、単なる皮膚の突起部に炎症が生じ、刺激を受けるようになり、かゆみを生じてくることがあります。
そのようなことを繰り返していると、結果として皮膚の突起部はますます大きくなってしまいます。
病気を治す
炎症性に肥大している場合は、皮膚の突起を少なくするために、炎症をおさえるための坐薬、軟膏などの外用薬や、内服薬を使用します。完全になくしたいときは、手術で切除しなければなりません。
病気にきづいたらどうする
それ以上大きくしないために、肛門部を清潔にすることが大切です。つまり排便後、紙でふくだけでなく、お湯で洗い、よく乾燥させておくようにします。
石けんで洗うときは注意が必要です。石けん成分が残るとかえって刺激し、かゆみを増強してしまいます。石けんで洗った後は、十分に洗い流しておくようにします。
文責 松田保秀
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