どのような病気か
俗称、「百いぼ」といわれるように、特徴的な外観をしています。細かい花キャベツ状をした、小さないぼが肛門周囲や肛門管に散在している、あるいは集まった病変です。
色はやや白っぽく、軟らかく、湿っていて、こすると出血します。これは、梅毒と違って比較的よく見かける病変で、肛門周辺の皮膚粘膜や陰茎、女性の腟周辺に好発します。
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どうして病気がおこるのか
原因は、ヒト・ハピローマウイルス(乳頭腫ウイルス、HPV) 6、11で、潜伏期間は約2ヵ月といわれています。
元来、本症は良性皮膚腫瘍の一種ですが、このウイルスをもった人との性行為により感染し、発病することが多いようです。
しかし、同じパピローマウイルスが原因でも、手足にいぼを生じさせる種類があります。この場合は性交とは何ら関係がありません。
最近の研究では、尖圭コンジローマ自体の悪性化や、女性の外陰部に発生する扁平上皮がんに尖圭コンジローマが関係しているという報告があります。また、子宮がんの原因の一つはこのパピローマウイルスかもしれないという報告もあります。
また、10歳代の若い男女にも尖圭コンジローマが増えていること(全体の約15%が10歳代)、出産時における産道での感染を思わせる新生児の発病もあります。
また、性風俗の変化に伴い口唇での発生もみられ、欧米を先頭に世界的に増加している病気です。エイズと同様に重要な病気と言えるでしょう。
病気を治す
治療は手術的にいぼを一つずつていねいに切り取るか、電気メスやレーザーで焼くかしますが、再発しやすい傾向があります。しかし、完治させることはできます。
ただ、肛門管や直腸との境に生じたものは慎重に手術しないと術後に肛門が狭くなることがあります。
保存的には、5-FU軟膏を1日2回、患部に塗ると軽いものなら消失することがあります。
病気に気づいたらどうする
最も大切なことは、性交渉の相手も同時に治療することです。片方だけの治療ではピンポン感染となっていつまでも治癒しません。
文責 松田保秀
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