胃がんについて
消化器がんの中で最も発生頻度の高い臓器は、胃です。わが国の悪性腫瘍の約40%を占め、50歳代にピークを迎えます。症状は潰瘍とほぼ同様で、診断には内視鏡検査が必要となります。当院では以前より、内視鏡検査の苦痛を取り除くために鎮静剤を投与しており、これにより患者さんは眠っている間に検査を受けることができます。
胃がんはその発育の程度によって早期がんと進行がんに分けられます。早期がんは粘膜および粘膜下層までのがんで、それより深く進んだものを進行がんとしています。進行がんでは基本的に開腹手術が必要であるが、早期がんでは大きさや形によって内視鏡的に切除が可能です。早期がんでも内視鏡的切除が不可能なものは進行がんと同様の手術が必要です。よく胃を2/3取ったとか全部取ったとかという話を聞きますが、がんの存在する場所によって手術方法が違うわけで、全部取ったから進行がんというわけではありません。胃の入口付近にあれば、早期がんであっても全部取ります。
いずれにしても早期がんと進行がんでは、その後の経過に大きな差があります。どんな病気でも早期発見、早期治療が重要であることは周知の事実です。年に一回の内視鏡検査を受ければ、少なくとも手遅れになるようながんにならないうちに発見することができます。当院では前日の夕食以降、摂取せずに来院していただければ、当日検査を受けることができます。ただし楽に検査を受けていただくために鎮静剤を投与しますので、車では来院しないようにして下さい。自分の健康は自分で守る。これが基本です!
余談ですが、大腸がん検診では便潜血反応が一般的で、陽性であれば精密検査を行うようになっています。しかし陰性であってもポリープやがんは見つかります。定期的に内視鏡検査を受けることをお勧めします。
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